1) 臨床看護学研修
当研究所では、1985年以来、“働きながら学びたい”という看護師たちの声に応えようと「臨床看護学研修」を立ち上げ、毎年継続しています。修了生は、北は岩手県から南は鹿児島県にわたり、志高く全国で活躍しています。
この研修のカリキュラムは、時代の趨勢を考えいくつか試みを重ねてきましたが、一貫しているのは川島が論じる「看護技術論」を基盤とした“臨床の経験知から科学的根拠をもった技術へと究める”実践と理論の連環です。
こうした長年の功績が実り、2007年、川島みどり所長は優れた看護師に授与されるフローレンス・ナイチンゲール記章を受章しました。患者の生活行動を援助する実践に価値をおき、「看護ケアの提供こそ、患者の持つ自然治癒力を高める」という考え方を実践・教育・研究の中で一貫して追求してきた足跡が高く認められました。
18回目(2002年)の研修から23回(2007年)まではテーマを「看護の技術化につなげる事例検討―臨床判断・実践能力を高める事例分析」として事例検討・分析に焦点をあてて行なってきました。
24回目(2008年)からは、川島みどり発案の「手を用いたケアに熟達する」というテーマで内容を刷新しました。「手を用いた看護ケアを提供し患者の持つ自然治癒力を高める」ことをめざす研修です。
この3ヶ月研修は、臨床に足場を置いて週1回行う研修です。関心のある方のご応募お待ちしています。
臨床看護学セミナー終了!
11月22-23日、松島(宮城県松島町)に於いて、「血流のよくなる爪切り・ケア」が開催されました。今回は、東日本これからのケアプロジェクトとのコラボで行われました。前日は雪交じりの雨で、翌日の天気が心配されましたが、すっかり晴れ渡る青空となりました。日頃の皆さんの行いのおかげでしょうか。
川嶋所長から、「手の技を極める」と題しての講義のあと、日本フットケア協会室谷良子先生のご講義と演習でした。日本フットケア協会のご協力で他に6名のメンバーの方々も加わっていただき、翌日までたっぷりと文字通り「手取り・足とり」の演習となりました。因みに、日本フットケア協会は、今回の企画の主旨にご賛同いただき、講師料も破格で、またメンバーの方もブランティアでご参加くださいました。感謝・感激の2日間でした。
日本フットケア協会のメンバーの方々の濃厚な個別指導。
(爪切り・ケアについて)
Q:自分の左手はできるけど、私の右手はどうするの?
A:大丈夫です。私(フットケア協会メンバー)が。
*つまり、この講習では、学びながら、自分もケアをやってもらえる、超お得な内容でした。
川嶋所長・室谷先生を囲んで
終了後、参加者一同(残念ながら写真撮影者は入れず…)
「学んだことを明日からのケアに生かしていきます」と決意も新たに、笑顔でイチ・ニー・サーン
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2)研究員ゼミ
このゼミをつくったきっかけは、上記の研修を修了した方のフォローアップの必要性を感じて始めました。修了生たちが停滞せずに、相互に情報交換しあって学習を継続する場をつくろうと、1991年より発足させました。臨床現場の変化の様相はじっくり考える機会をもてないほど急テンポに進んでいます。このような中で自身のアイデンティティを見失ったり、ジレンマに陥っている看護師が多いと聞きます。今は看護系大学・大学院の増加、認定看護師の養成や卒後教育など充実してきていますが、当ゼミのオリジナリティは、臨床重視のスタンスで、その場の実践と理論とをリンクさせながら看護という仕事の価値を問い、学びなおしていく点にあります。当ゼミは公開制です。修了生に限らず、どなたでも大歓迎です。思い立ったらご連絡ください。
目 的: |
無理なく、楽しく、深く学び、それを継続し、看護の現場に活かしていく。 |
活 動 日: |
毎月1回 14時〜16時 詳しくはお問い合わせください。 |
活動内容: |
看護現場で生じている諸問題のあり様を明確にするために、また解決策を導くためにディスカッションをし、現場で活用できる研究手法など取り上げ学習会を行なっています。
研究データをとる際に現場に生じている諸現象や実践したことをどのように記述していけばよいのか、描ききれているのかとだれもが悩むところです。そこで、2009年は質的研究について理解が深められるよう、文献からの論文のクリティークや質的研究の手法を学び、理解を深めていきます。 |
活動場所: |
当研究所ゼミ室 |
参 加 費: |
1回ごと、千円 |
参加者は随時募集しております。興味のある方は是非ご参加ください。
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